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釜本邦茂元日本サッカー協会副会長

1944年4月15日生まれ。京都市出身。早稲田大2年で日本代表入り。64年東京五輪に続いて出場した68年メキシコ五輪で得点王を獲得。銅メダル獲得の原動力となった。日本代表Aマッチ76試合75得点(B、Cマッチを含めると231試合153得点)。Jリーグ発足後はG大阪初代監督。98年に日本サッカー協会副会長。95年から参議院議員を務めた。

ブラジル戦では五輪代表から“我慢”が伝わってこなかった

公開日: 更新日:

 五輪でメダルなんて考えてなかった。「日本のサッカーを世界に知らしめたい」一念だった。

 初戦は、リオ五輪と同じナイジェリア。3―1で勝ち、2戦目のブラジル(!)とは1―1。3戦目のスペインとはスコアレスドロー。グループ2位でベスト8入り。フランスを3―1で退けた後、準決勝は優勝したハンガリーに0―5と大敗を喫したが、3位決定戦で地元メキシコに2―0で勝ち、銅メダルを獲得することができた。

 どの試合も死に物狂いで戦った。3位決定戦の後、宿舎に戻って祝勝会の予定だったが、ボクたち選手に余力はなく、部屋に入るとベッドに倒れ込み、それこそ死んだように眠ってしまった。

「死に物狂い」は何も90分間、狂ったように動き回るとか、足が折れんばかりに相手に猛タックルを食らわせるとか、そういうことではない。実力上位と戦う時に大事なのは、相手の猛攻を「全身全霊を捧げて我慢して守る」ことだ。

 自分たちのやりたいサッカー、持ち味などを封印。「ひたすら我慢」しながら、相手のストロングポイントを封じるために汗を流し、チーム一丸となって耐え忍ぶ。

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