ブラジル戦では五輪代表から“我慢”が伝わってこなかった
五輪でメダルなんて考えてなかった。「日本のサッカーを世界に知らしめたい」一念だった。
初戦は、リオ五輪と同じナイジェリア。3―1で勝ち、2戦目のブラジル(!)とは1―1。3戦目のスペインとはスコアレスドロー。グループ2位でベスト8入り。フランスを3―1で退けた後、準決勝は優勝したハンガリーに0―5と大敗を喫したが、3位決定戦で地元メキシコに2―0で勝ち、銅メダルを獲得することができた。
どの試合も死に物狂いで戦った。3位決定戦の後、宿舎に戻って祝勝会の予定だったが、ボクたち選手に余力はなく、部屋に入るとベッドに倒れ込み、それこそ死んだように眠ってしまった。
「死に物狂い」は何も90分間、狂ったように動き回るとか、足が折れんばかりに相手に猛タックルを食らわせるとか、そういうことではない。実力上位と戦う時に大事なのは、相手の猛攻を「全身全霊を捧げて我慢して守る」ことだ。
自分たちのやりたいサッカー、持ち味などを封印。「ひたすら我慢」しながら、相手のストロングポイントを封じるために汗を流し、チーム一丸となって耐え忍ぶ。