残り2本で足踏みのイチローにマーリンズ指揮官“心中複雑”
マーリンズ・イチロー(42)は3日(日本時間4日)のカブス戦の七回に代打で出場。遊飛に倒れ、あと2と迫っているメジャー通算3000安打達成はまたもお預けとなった。これで7月28日のカージナルス戦で2998安打目を放って以来、6試合10打席連続で快音が聞かれない。足踏み状態が続き、敵地シカゴのカブスファンで埋まるスタンドもため息に包まれたが、偉業達成を誰よりも待ち望んでいるのは他でもないドン・マッティングリー監督だろう。
今季は2月のキャンプからイチローに関して日米メディアの質問攻めにさらされた。残り10本を切ってからは米メディアから連日「明日はイチローを使うのか」と聞かれ、苦笑いしながら起用法に関する説明を繰り返している。指揮官がイチローの記録達成を心待ちにしているのは明らか。当初は「今年中には達成するだろう」と期待を口にしていたものだが、最近では「早く達成して欲しいものだ」と冗談交じりに話したこともある。
マッティングリー監督にとっては「ベテラン選手の個人記録よりもチームの勝利」が本音だ。今季のマーリンズは開幕から好調をキープ。ナ・リーグ東地区で首位ナショナルズと熾烈な地区優勝争いを繰り広げ、03年以来のポストシーズン進出を狙える位置に付けている。