偉業目前で観客急増も…イチローに“チーム勝負優先”の壁
マーリンズのイチロー(42)は1日(日本時間2日)、シカゴで行われたカブス戦の7回に代打で登場し、三塁ライナーに倒れた。守備には就かず、3000安打まではあと2本のままだが、メジャー史上30人目となるイチローの3000安打がカネを生むのは間違いない。
3000安打まであと3で迎えた7月28~31日の対カージナルス4連戦。本拠地のマーリンズパークには、客がわんさか入った。
昨年は1試合平均2万1632人、今年は2万1837人なのに、28日からの3日間はいずれも2万5000人を超える観客が訪れた。中でも球団の公式ツイッターでイチローのスタメンを公表した29日は、平日にもかかわらず2万7414人が来場した。
大記録は目前だ。どうせならイチローをスタメンで起用し続け、本拠地で偉業を達成させた方が盛り上がるに決まっているしビジネスになるが、4連戦のうちスタメンは1試合だけ。3000本まであと2本としたまま、マーリンズは次の遠征地のシカゴへ向かった。
イチローはあくまでも4人目の外野手というのがマッティングリー監督の考え方。普段は代打中心の途中出場、レギュラー3人のだれかを休ませるときに限ってイチローをスタメンで使う。そうやってイチローを起用しているからこそ、チームはプレーオフを狙える位置につけているとみている(7月31日現在、地区首位のナショナルズから4ゲーム差の2位)。
ロリア・オーナーはカネにシビアな商売人とはいえ、チーム方針は商売より勝利優先。イチローが記録を達成しようとしまいとおそらく、そのスタンスは変わらない。代打はスタメンと勝手が違うし苦手というイチローにとって、今後のハードルともいえそうだ。