新発想で広島投手陣を変えた 黒田流「投球革命」の中身
野村の躍進は黒田の存在が大きい。キャンプで野村は、黒田から身ぶり手ぶりでアドバイスを受けた。今季、軸足の位置をプレートの一塁側に置くようになったのは、黒田の影響だという。また、捕手の石原らも黒田の配球を参考にしており、内角攻めはバッテリー全体で意思統一されている。
■投手を楽にする発想
「黒田の投球スタイルは投手の考え方を楽にしてくれる要素があります。たとえば『アウトローが原点』という考え方があります。外角低めにキレのあるストレートを投げられることは、投手として大事な能力。ただ、いくら制球がいい投手でも、同じ箇所にいい球を投げるのは簡単ではありません。加えて、内角にシュート系の球を投げるには勇気も必要です。甘く入って打たれたら『シュート回転』と見なされがちです。黒田の思考がバッテリーの『固定観念』を取り払い、柔軟な考えで臨んだ成果が出ていると思います」(山内氏)
ある若手投手は黒田から「ストライクゾーンを9分割に分けて投げたら、オレでもしんどい。初めは2分割でもいい」と言われたそうだ。黒田はカープに「投球革命」をもたらした。