イラクに辛勝で解任免れる…ハリル監督“突如変心”の裏側
10月のロシアW杯アジア最終予選2連戦(6日のイラク戦=埼スタ。11日のオーストラリア戦=メルボルン)で1敗した時点で解任危機ともっぱらだった日本代表のハリルホジッチ監督(64)。イラク戦では、エースナンバーの背番号10を背負ったMF香川真司(27=ドルトムント)を先発から外す荒療治を断行。代わってトップ下には、スペイン・セビージャ所属のMF清武弘嗣(26)を抜擢した。
前半26分、その清武が先制点をお膳立て。1―1で迎えたアディショナルタイム(公式記録は90+5分)には、途中出場のMF山口蛍(26=C大阪)の劇的強烈ミドルが決勝点となった。
辛うじて首の皮がつながったハリルホジッチ監督はトレードマークだった仏頂面を封印、記者会見場に姿を現した。
確かに薄氷の勝利ではあるが、「ハリルホジッチ監督も勝つための方法論として、選手の意見を取り入れながらやっていくのが、ベストであることに気付いた」とはベテランサッカー記者。
「フランス語で会話ができるGK川島(永嗣。33=メッス)を招集したのは、チーム内の意見を川島経由で聞こうとしたからです。ハリルは、所属クラブで戦力外になった香川が、想像以上にメンタルをやられているという情報を入手。スタメンから外すことを決断した。就任当初から『素早く前方に縦パスを送ってシュート』と選手に徹底させていた戦術も変えた。直前合宿では『やみくもに縦パスを送らなくていい。選手が局面に適した縦パスを選択すればいい』と言い出し、これまでの高圧的な態度が一変、妙に物分かりのいい指揮官に変貌しました」