教え子は虎視眈々 吉田沙保里“兼任コーチ”で失う女王の座
元世界女王がコーチとして始動した。
リオ五輪女子レスリング53キロ級で銀メダルに終わり、新たに日本代表の選手兼コーチに就任した吉田沙保里(34)。昨24日には東京五輪に向けた新体制発足後、初の合宿に参加。補強運動などで汗を流すとともに、若手選手に助言を送るなど、初日から精力的に動き回った。今後も現役を続けながら、「選手にはこれまで自分が教わってきたことを包み隠さず伝えたい」と東京五輪でのメダリスト育成に意欲を見せた。
選手としてはまず、来年8月の世界選手権(パリ)での14連覇を目指すが、自らの教え子でもある国内の若手が吉田の首を虎視眈々と狙っている。これまでは敵なしだった吉田の53キロ級を避ける選手は少なくなかったが、来年からは48キロ級から上げたり、55キロ級(非五輪階級)から落として、53キロ級にエントリーする選手が続出する。
栄強化本部長によれば、リオ五輪48キロ級金メダルの登坂絵莉も、東京は53キロでの出場を目指すという。非五輪階級にもユースやジュニアの国際大会優勝など実績のある選手はいる。吉田は東京五輪で金メダル奪回どころか代表落ちもある。