米ツアー参戦 畑岡奈紗のルーキーイヤーは課題が山積み
米国ゴルフ事情に詳しい吉川英三郎氏もこう言う。
「プロになったばかりですから、多額の資金は手元にないでしょう。でも、米国の拠点はフロリダにするべきです。スイングやアプローチ、パッティングなどの専門コーチも多数いる。強豪揃いの米国では選手一人では戦えません。コーチ料を払ってでも、自分のゴルフをチェックしてくれる人が必要です。それと、車の免許はなるべく早く取得した方がいい」
1月下旬にバハマで開幕する来季は、憧れの宮里藍(31)と同じ舞台に立つ。03年に高3で国内ツアーに勝った宮里は、06年から米ツアーに本格参戦し、09年7月にエビアン・マスターズで米ツアー初優勝を遂げ、賞金ランキングは3位になった。
英語がペラペラの宮里でも初優勝まで4年(83試合目)もかかっている。国内13勝で有村智恵(29)が宮里の後を追って渡米したのは25歳。有村は米ツアーでは全く通用せず、昨年撤退した。国内23勝で101試合連続予選通過の記録を持つ横峯さくら(30)も、結婚を機に昨年から米ツアーへ主戦場を変えたが、すでにプロとしては峠を越えており、米国では予選を通過するだけで苦労している。
「米ツアーはコースによって芝質がまるで違うため、多彩なアプローチの技術が要求される。畑岡は海外経験が豊富だし、順応性も高そう。10代からツアーに参戦できるのは強みです」と、前出の吉川氏は見ている。