7敗目で大関陥落“徳俵” 琴奨菊「がぶり寄り」頼みの限界
「まあ、しゃあない。我慢して強くならんとあかん。それだけ!」
開き直りか、それとも諦めか……。支度部屋でこう言ったのが、大関の琴奨菊(32)だ。
カド番で迎えた今場所は序盤から黒星先行。10日目のこの日は豪栄道に肩透かしで敗れ、7敗目を喫した。残り5日間、一回でも負けたら大関陥落。徳俵に両足が乗った。
もともと、がぶり一本で出世した「一芸力士」。差し手争いやまわしを取っての駆け引きは、お世辞にもうまいとは言えない。その代わり、低い重心を生かしたがぶりは破壊力抜群。まわしを取らずとも二本差して抱え込み、強引に寄り切れるのも琴奨菊の強みだった。
そんな“伝家の宝刀”も、今ではただのナマクラだ。昨年の7月場所で左足に抱えていたバクダンが爆発。ヒザの靱帯を痛め、途中休場を余儀なくされた。現在もケガの影響に悩まされており、下半身のパワーと推進力に支えられてきたがぶりの威力は半減。最近ではがぶっても側面に逃げられて勢いを殺され、深追いして体が伸びきったところを仕留められる取組が目立つ。