格下に弱い? 稀勢の里“ここがダメだよ”協会幹部に聞いた
16日に行われた、相撲協会の雑誌記者懇親会。そこで日刊ゲンダイは今場所自身初優勝を目指す大関稀勢の里(30)について、協会幹部に聞いた。いつもいつもあと一歩で優勝を逃す大関には、何が足りないのか。
まず、八角理事長(53=元横綱北勝海)はこう言った。
「先場所は3横綱を倒した直後、ポロッと(平幕の栃ノ心に)負けた。上位と対戦するときは強い気持ちで当たれるけど、自分より格下の力士とやるときは『安全に、安全に』となってしまうのでは。確かに慎重な姿勢も大事だけど、度を過ぎると良くない。優勝なら昇進? それは私が決めることじゃない。そのときの内容次第です」
格上には果敢に攻めて圧倒するも、平幕や調子を落としている相手に腰高の相撲で惨敗――稀勢の里には珍しくない光景だ。
■若手と稽古しない
八角理事長に「(二所ノ関一門の)同門としてはどうですか?」と話を振られた芝田山副理事(54=元横綱大乃国)は、こう話した。
「稽古の面ですが、もっと若い関取衆をつかまえて稽古をしてほしい。(一門の連合稽古でも)大関同士とはよくやるんですけどね。あとはいつも嘉風とやってますよ。二所ノ関一門には玉鷲や輝といった、頭角を現してきた若手力士もいる。いろいろな力士とやらなければいけませんよ。そうやって視点を変えて、新しい色をひとつ加えること。そうすれば流れも変えられるでしょう。心……というか、心の芯の部分ですね。私も長い間、稀勢の里を見ていますが、もうひとつ壁を越えるためにも、若手にどんどん胸を出すべきです」