ダルにも“トランプ危機” 米紙が「イラン出身」父親を危惧
ダルは日本生まれの日本育ち。地元紙が報じたように、かつては日本とイランの二重国籍を有していたとはいえ、すでに日本国籍を選択している。本人に直接的な影響はないだろうが、「精神的な負荷はかかるかもしれません」とアメリカ野球愛好会副代表で法大講師の鈴村裕輔氏がこう言った。
「米国でいま、カードを握っているのは政権側なのです。例えばトランプ政権がキューバとの国交正常化への取り組みを破棄すれば、メジャーは大打撃を受ける。カブスの共同オーナーであるトッド・リケッツが商務副長官に指名されたこともあって、ますます政権の意向を慮る必要が出てきたのです。通常ならメジャーリーガーの父親ですから例外として認められそうなものですが、あえて波風を立てないようにダルビッシュは代理人や球団関係者を通じて父親の入国をやんわりと拒否される可能性もある。家族を大切にする選手だけにやるせない気持ちになるでしょうし、精神的な痛手にならなければよいのですが……」
テキサスという土地柄も、ダルにとってマイナスに作用するかもしれない。
「成績を残している間は問題ないでしょうが、結果が得られず、じきに行われるであろう契約延長交渉でモメるようだと矛先がダルビッシュに向く可能性はあります。レンジャーズはチャリティー会場で、プエルトリコ出身で全盛時のイバン・ロドリゲスを下座、地元出身で引退間際のノーラン・ライアンを上座に座らせたことがあるほどですからね」(鈴村氏)