WBC登板断念の重大影響…大谷の今オフメジャー挑戦に暗雲
なにしろ、まだ全力疾走できない状態だ。無理を押して野手として出場すれば、反動は帰国後に必ずやってくる。
■投手の調整ができない
それより何より、WBCメンバーとして拘束される約1カ月間、投手としての調整はまったくできなくなってしまう。今季の個人成績やチームに及ぼす影響は計り知れない。
仮にWBCそのものへの出場を見送ったとしても、今回の故障は尾を引く。もともと右足首の関節は緩く、捻挫グセがあるから、いつ再発しないとも限らない。遊離軟骨が神経を刺激して痛みが生じているという話もあって、このまま痛みが消えなかったり、完治させようと思ったら手術が必要になる。その場合には復帰まで全治3カ月かかる。いますぐ手術をしたとしても、開幕には間に合わない。
かねて目標としていたWBC出場がフイになれば、精神面も傷を負いかねない。
WBCに出ようと出まいと、大谷にとって今回のケガは大打撃。WBCで活躍、チームの連覇に貢献して渡米するどころか、WBCもリーグ優勝も棒に振ってしまえば目標はすべて達成できないことになる。それでも大谷が、長年の夢を追い掛けて「グッドバイ」と日本球界を後にするとは思えないのだ。