清宮以外“不作”のセンバツ プロがマークする意外な3選手
今大会でプロのスカウトがドラフト1位候補に挙げているのは、早実(東京)の清宮幸太郎、履正社(大阪)の安田尚憲とスラッガー2人だけ。多くのスカウトは「不作」と顔をしかめているが、彼ら以外にドラフト候補はいないのか。
パのあるスカウトは「まあ、そうですねえ……」と、手帳をめくりめくり、こう話す。
「明徳義塾(高知)の外野手、西浦颯大。これはなかなかいい選手ですよ。去年出場した神宮大会ではスイングの遅さが気になっていたが、冬にバットを振り込んだのか、随分と速くなりましたね。いい感じに伸びている。高校生が豊作の年ならばともかく、今年のドラフトなら4位までには指名されるかと」
ほとんどの高校生は、プロ入り後に数年の育成期間を経て戦力になる。だからこそ、スカウトが現時点で彼らに望むのは器用さや万能性ではなく、突出した武器。何かひとつが際立っている選手はいるか。
前出のスカウトが言う。
「そういう話なら、日大三(東京)の左腕、桜井周斗。彼のスライダーはキレがあり、一級品。プロでも十分、武器になる。ただ、球速がMAX144キロ、常時130キロ台では厳しい。特にクセのあるフォームというわけでもないので、もう4、5キロは球速を上げてくれないと、せっかくのスライダーが宝の持ち腐れになる。今後のトレーニング次第でしょう。正直、今秋指名するより大学で成長ぶりを見たい選手です」