北島ら育てた水連・平井氏が懸念するプロの立場と今後
6日、「第93回日本選手権水泳競技大会」記者発表会と予想会が行われ、日本水泳連盟青木剛会長、平井伯昌委員長らが出席した。
平井委員長は北島康介(34)や萩野公介(22)らメダリストを育てた名コーチ。今大会では、萩野の世界記録更新も期待されるが、「直接教えているので言いづらいけど、萩野はみなさんが思っているよりも速く泳げると思います」と宣言して報道陣の笑いを誘った。
萩野は昨年末にプロ転向を発表し、4月から「ブリヂストン」と契約。萩野のライバルで同い年の瀬戸大也(22)もプロスイマーとして「全日本空輸(ANA)」の所属となった。競泳界で初めてプロになったのは北島だが、最近はスポーツ界全体で見てもプロ化の動きが加速している。これについて平井委員長は「いい傾向だと思う」と言いつつ、こう続けた。
「(プロとして)スポーツで仕事をしていくということは、何か特別な選ばれた人間みたいに感じるところがあると思うんですけど、プロになることで得る物だけじゃなく、失っているものもあるんじゃないか。『一般の方には(社員として仕事をするアスリートがいるのに)働いていることを放棄しているんじゃないか』と思われる可能性がある。こういう話は北島や萩野とは話しますが、それだけの覚悟も持ってやらないといけない。僕としては、中には本当にプロとしてできるのかなと思う人もいます」