期待の森福も被弾 巨人30億円補強も“昨季の穴”埋まらず
「左が欲しい」
巨人の高橋由伸監督(42)と尾花投手コーチらは、昨シーズン中からこう漏らしていたという。9年連続60試合登板の鉄腕・山口鉄也(33)の力に明らかな陰りが見え始めたからである。
6勝2敗と好スタートを切った巨人。ただ、2敗の内訳が問題だ。山口鉄と森福允彦(30)の左のセットアッパーがそれぞれ喫しているのだ。今季の救援陣は八回マシソン、九回カミネロだけが決まっている。七回にはドラ3右腕・谷岡竜平(21=東芝)、ドラ4左腕・池田駿(24=ヤマハ)の新人2人を組み込むプランがあるというが、勝利の方程式として1シーズンフル回転してくれるかは、もちろん未知数だ。
山口鉄は今季2試合で1敗、防御率13.50。昨季は1勝6敗1セーブ、同4.94。全盛期は年間を通じてほとんど打たれず、防御率は0点台が当たり前だった。勤続疲労は明らかで、後継者探しはここ数年の最大の懸案事項なのだ。
「だからオフにソフトバンクから3年総額4億円を超える契約で変則左腕の森福を獲得した。30億円を超える大型補強の中でも肝だったと関係者は口を揃えます。それが9日の阪神戦で上本に被弾。2試合目の登板で早くも土がついた。広い甲子園で非力な伏兵にスタンドまで運ばれた事実は重い」(チーム関係者)