“特別待遇”で実戦復帰 シャラポワに選手から大ブーイング
元世界女王が表舞台に戻ってくる。
女子テニスの元世界ランキング1位でドーピング違反により1年3カ月の資格停止処分を受けたマリア・シャラポワ(30)が24日開幕のシュツットガルト・オープン(ドイツ)で復帰。世界35位のロベルタ・ビンチ(34=イタリア)との1回戦は、処分解除となる26日以降に組まれることになった。
処分明けのシャラポワは今大会、主催者推薦による出場だ。元女王への異例の特別待遇には、男女のトップ選手から疑問の声が上がっている。シャラポワと2回戦で対戦する可能性がある同6位のアニエスカ・ラドワンスカ(28=ポーランド)は母国メディアの取材に「ドーピングで処分を受けた選手がワイルドカード(主催者推薦)を与えられるべきではない」と発言。男子世界ランク1位のアンディ・マリー(29=英国)、元女子1位のキャロライン・ウォズニアッキ(26=デンマーク)らトップ選手も「他の選手やWTA(女子テニス協会)に失礼だ」などとかみついた。
男女のトッププレーヤーを敵に回したシャラポワは、復帰戦でも何かと肩身の狭い思いを強いられる。26日に処分が正式に解除されるため、開幕から2日間は当然、会場のコートでは練習できない。さらに大会中は練習相手もままならない。テニスの大会では通常、各選手とも出場選手の中から練習パートナーを選んで最終調整に臨む。シャラポワは選手から総スカン状態ともいわれ、練習相手を拒否される可能性もある。専属コーチが付いているとはいえ、現役選手の生きた球を打てないままぶっつけ本番を強いられかねないのだ。
処分は明けても、復帰はいばらの道か。