4試合連続完封ならず 菅野の投球を城之内氏はどう見たか
「ちょっと一本調子だった。打たれたのは糸井、鳥谷、福留。テンポが速いのは菅野の長所だが、当たっている中軸打者にリズムが一定では、タイミングが合ってしまう。失点した初回と三回は、走者への意識も散漫だった。走者を刺さなくてもいい。牽制を入れることで、打者との間合いを外すことができる。危ないのはカウントを取りにいく球だと思っていたけど、三回に福留に2ランを打たれた球は、ほぼド真ん中の初球。コントロールがいい菅野にしては雑というか、完封を意識するなら、ある程度の四球はOKだと割り切ることが大事。普段あまり見ないコントロールミスだけに、菅野にとっては悔いが残るだろうね」
65年は巨人のV9が始まった年。城之内氏は52試合に登板して21勝12敗と貢献。入団から5年で101勝、通算36完封。その城之内氏が続ける。
「2点を追う七回裏に菅野へ打席が回ってきた。普通なら代打で交代だ。しかし、彼はそれが当たり前のように打席に入って次の八回まで投げた。簡単にはマウンドを譲らないというエースの姿勢は見せた。今は投手が分業制の時代だから、凄いこと。この日は残念だったけど、また完封記録に挑戦して欲しい」
今季初黒星を喫した菅野は試合後、「1点を取られて(記録に関しては)割り切れたが、1点で終わらないといけなかった。再来週の甲子園でやり返したい」と話したが、改めて伯父さんの“説教”を思い出しているかもしれない。