笑うのは日本の2球団のみ 新ポスティング制度“真の狙い”
「向こうは余計なカネがかかるポスティングをやめたがっている」
ある球団の関係者がこう言う。
8日、NPB(日本野球機構)と12球団による実行委員会が開かれ、海外移籍の際のポスティング(入札)制度について、MLB(大リーグ機構)側から改正に向けた協議の申し入れがあったことが報告された。
とはいえ、現時点でMLBから具体的な改正案は出ていないそうで、NPBの井原事務局長は「まずは向こう側の案を確認してからになる」と話すにとどまった。
現行制度は、移籍希望選手に対して日本の所属球団が2000万ドル(約22億円)を上限とする譲渡金を設定し、最高額で入札したすべてのメジャー球団が交渉できる。現行制度の契約は2013年からの3年間で今年は1年間、自動延長されていた。今年5月5日までにMLB、NPBいずれかが希望すれば、新制度導入に向けた協議が開始されることになっていた。
■入札額の上限が下がればウマみなし
そもそも入札制度自体に否定的な意見が多いMLBの狙いは、上限額の下方修正ではないかとみられている。13年までの旧制度の入札金は青天井で、最高入札額で落札した1球団のみが交渉するというものだったが、現制度はMLBの強い意向で条件が大幅に“緩和”された。