大関昇進確実に 高安が兄弟子・稀勢の里に勝る2つの長所
これで誰も文句はないだろう。
大相撲5月場所、関脇高安(27)が好調の横綱日馬富士を下し、11勝目。先場所、先々場所で12勝、11勝しており、これで3場所通算34勝目。大関昇進の基準は「三役で3場所33勝以上」なので、場所後の昇進は確実だ。
「相撲をやってきて良かった。こつこつ頑張って、報われた」とは支度部屋の高安。これには休場中の稀勢の里もさぞ、喜んだに違いない。
では、高安はその兄弟子をも上回る力士になれるのか。
今場所は現役大関の豪栄道、元大関の琴奨菊らを立ち合いで跳ね飛ばしたように、パワーは誰しもが認めるところだ。ある親方は「稀勢の里より強くなる可能性は十分にある」と、こう続ける。
「現在、立ち合いの圧力が一番強いといわれているのが、稀勢の里。高安は次点か、ほぼ同じです。特にかち上げは、白鵬や照ノ富士をも吹っ飛ばすほどです。さらに兄弟子にない長所が2つ。1つは大一番でも緊張しないこと。2つ目は器用さです。高安は投げ、四つ、突っ張り、ひねりと何でも出来る力士。以前は技に頼るあまりに器用貧乏な面もあったが、それでも下地があるとないでは違いますからね。基本は左四つだが、右四つで戦える強みもある」