引退の宮里藍も 日本スポーツ界に欠けたメンタルへの理解
「他の競技に比べて、日本の女子プロはメンタルの重要性を理解していないように思う。メンタルというと、心の病気と結びつける人もいるようです。試合で緊張する、プレッシャーがかかってミスをする、そういうことがメンタルの問題とは思っていないのでしょう。『ここぞというときに緊張するのは気持ちが負けているからだ』と、自分を責めている選手もいます。メンタルだけではない。選手は常にアンテナを立て、最新のトレーニング、栄養学、サプリメントなどについてある程度は知っておかなければなりません。全米女子オープン優勝が目標だった宮里藍選手は自己分析力に長け、メンタルの重要性を認識していたのでしょう」
■いまだにまかり通る「スポ根」精神
記者会見では父親の優さんが、「メカニックは進化したが、(日本では)メンタルの科学的分析が遅れている。そこに(藍は)選手を助けることができると思う」と娘の今後について指摘した。
日本スポーツ界はいまだに“スポ根”がまかり通る。ゴルフでは技術と体力があれば精神面は克服できると考え、気合でメンタルはいかようにもカバーできるというのだ。しかも女子プロのコーチは父親か、プロ資格もないコーチと称する人間が、ツアー会場で一人でも多くの選手と契約しようとたむろしているのが現状だ。