まだベテラン頼り 新生シンクロ日本「東京五輪」への課題
新生シンクロ日本代表が不安なスタートを切った。
14日(日本時間15日)に開幕した水泳の世界選手権(ブダペスト)。16日のデュエット・テクニカルルーティン(TR)決勝では乾友紀子(26)、中村麻衣(28)組が92.0572点で4位。銅メダルを獲得した15年大会に続く表彰台を逃した。
同16日のチームTR予選は91.7484点で、ロシア(95.0121)、中国(93.0711)に次ぐ3位で決勝に進出したが、2位中国とは1.3227点差をつけられ、4位ウクライナには0.2567点差に迫られている。2強のロシア、中国との差は縮まらず、リオ五輪では格下だったライバルの猛追を受ける形となった。18日のフリールーティン(FR)ではウクライナに逆転され、デュエットに続いてチームでも表彰台を逃しかねない。
日本のお家芸とも言えるシンクロは東京五輪でのメダル有力種目の一つだ。本番まであと3年。デュエット、チームともレベルアップを図るには両種目とも専任選手の育成が不可欠である。
ロシア、中国ともデュエットとチームで選手を分けており、両種目に出場する選手はいない。選手の負担を軽減することはもちろん、専門種目に特化させることでレベルアップを図る狙いからだ。一方の日本はデュエットの乾と中村、中牧佳南(25=TR)ともチームのメンバーも兼ね、しかも主力を務めている。ベテラン2人に頼り切っているようでは日本のお先は真っ暗である。
17日は混合デュエットTR決勝が行われ、日本の安部篤史、足立夢実組は86.2679点で4位。ソロFR予選は乾が91・9667点をマークし、4位で決勝進出を決めた。