なぜいきなり? ロジャース先発に透ける金本監督の計算
右脇腹筋挫傷で登録を抹消された糸井に代わって18日、一軍登録されたのが阪神の新外国人ジェイソン・ロジャース内野手(29)。
同日の広島戦に3番一塁でスタメン出場。9点を追う八回、1点を返してなおも1死満塁で中前に2点適時打を放ったものの、安打はこの1本だけ。七回には平凡な一ゴロをトンネルする失策が失点につながったのだから、焼け石に水のタイムリーだった。
金本監督は2日前、ロジャースの打撃練習を見て、「まだ、体ができていないみたい。振るキレや体のキレが出てくるまでは下(ファーム)で経験を積ませる」とコメントしたばかりだ。
主力の糸井がケガで離脱したとはいえ、ファームには同じ外野手で3年目の江越もいる。金本監督が体もできていない新外国人を急きょ一軍に上げて、いきなりスタメン起用したのはなぜか。阪神OBがこう言う。
「金本監督はそもそも新外国人獲得に乗り気ではなかった。打線に新外国人が入れば、若手のポジションがひとつ減るわけですからね。生え抜きの若手をひとりでも多く一人前にすべきだと考えていて、ロジャースにはさっさと見切りをつけたいのが本音でしょう。つまり打てないと分かっているからこそ、あえてスタメンで起用しているのではないか。結果が出なければ、目先の1勝にこだわってロジャースを取ってきたフロントや親会社を納得させることもできますからね」
周囲は金本監督なりの計算が働いているとみているようなのだ。