元近鉄の天理・中村監督に聞く “プロ経験者”の高校野球論
――橋本先生のやり方は最先端だったと?
「僕が主将だった30年前、『プロ野球みたいに音楽をかけてノックしていいですか』と橋本先生に言ったら『いいよ』と。一日中練習をする夏休み中も、『選手が疲れているので、今日は午前中だけ練習して午後から休ませてもらえませんか』と言うと『いいよ』と。だから休んでなきゃいけないのに、みんなで遊びに行って。それを知っても怒らないおおらかさがあった」
――“監督は試合本番にあまり仕事はない”といいますが。
「本当にそう。選手のために準備するのが指導者の仕事なので。だから(県予選の)決勝翌日は暇すぎて、ひとりでレイトショーを見に行きましたよ。その後、フードコートでうどんを食べていたら『おめでとうございます』と声を掛けられて恥ずかしかったですね(笑い)」