ネリ薬物疑惑で現実味も 山中慎介の王者復帰に数々の難問
山中自身、不完全燃焼であることは間違いない。セコンドのタオル投入による王座陥落に、敗戦後はネリのパンチについて「効いてる感覚はなかった」とも話していた。
しかし、その一方で、「納得のいく勝ち方なら、それ(引退)でもいいのかな」とも。再び具志堅記録に挑むことが出来たとして、気持ちを奮い立たせることが出来るのか。日本ボクシングコミッション元事務局長で、3万マッチを裁いたレフェリー、森田健氏が言う。
「山中が『まだ終われない』と、すでに練習を再開しているならいいのですが……。いったんガクッとくると、そこから再び気持ちを高めるのは難しい。奥さんと子供の存在もある。タオルを投げ入れたトレーナーにしても、山中が若くて独身ならともかく、家族がいるからこそ、これ以上のダメージは……と考えたかもしれない。34歳という年齢は、ボクサーとしては決して若くはありませんから」
いずれにせよ、山中にしてみれば「今頃ドーピング発覚と言われても……」という心境だろう。