豪戦のキーマン DF昌子源が代表守備リーダーの自覚語る

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 彼がクロス対応に固執するのは致命的ミスを犯した過去があるから。代表常連の森重(FC東京)が落選し、吉田との初コンビで挑んだ6月のシリア戦。失点場面で彼は相手をフリーにしてしまったのだ。

「いいボールを上げられて中に人がいる状況でマークを外してしまった。それもプラスに持っていける材料になる。重圧は感じるだろうけど、すごく大切な試合っていうのは、日本国民全体が分かっている。しっかり準備したいですね」と本人も自戒を込めて言う。

■大岩監督に怒鳴られ「泣きそうに」

 守備リーダーとしての自覚は日々、鹿島で養っている。最近では7月29日の甲府戦。試合は3―0で勝ったが、昌子はブラジル人FWドゥドゥにボールをさらわれてピンチを招いた。これを大岩剛監督が問題視。試合後のロッカールームで名指しで怒鳴られたのだ。本人もショックで「泣きそうになった」という。

「中心選手があんなミスをしたら、監督が怒るのは当然のこと。全員の前であえて厳しく言うことでチームを引き締める狙いがあったはずだ」と観戦に訪れていた父・力さん(姫路獨協大学監督)に諭され、翌日の朝一番に謝罪。そこからは「自分がやらなければ」という意識をより深めた。

 年齢に関係なく、大声を出して「周りを動かせる」のが昌子の強みだ。

 6月のイラク戦(テヘラン)では完封勝利を逃したが、大一番でチームを鼓舞し、強敵を零封できるか。

(取材・構成=サッカージャーナリスト・元川悦子)

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