DeNAは4連敗免れたが…実力差歴然でセ「DH制導入」加速か
それは印象的なコメントだった。
3連敗を喫した31日の試合後、南場智子オーナーは、「地力が違う。スキがない」と漏らした。1―10と一方的に叩きのめされた初戦に比べれば、2戦目以降は3―4、2―3と僅差の1点差ゲーム。接戦ではあるが、野球に関してはプロではないオーナーですら、スコア以上の力の差を痛感せざるを得なかったわけだ。
迎えた第4戦は、先発浜口の好投もあって6―0の完勝。ファンも多少は留飲を下げただろうが、DeNAが崖っぷちである現実に変わりはない。
評論家の橋本清氏がこう語る。
「完成されたチームと発展途上のチーム。その差が随所に見られる。打線の破壊力というくくりで言えば、両者にそれほど大きな開きはない。ですが、投手の立場からすれば、ソフトバンク打線には怖さに加えていやらしさがある。送るべきところでしっかりと犠打を決める。3戦目の六回無死一、二塁の場面では、今シリーズで当たりが止まっている6番の松田がツーナッシングから2―2の平行カウントに持っていき、最後は進塁打(一ゴロ)を打って好機を拡大した。追い込まれてからの松田は、こぶし1つ分バットを短く持って、走者を進めるという最低限の仕事をした。点にこそつながりませんでしたが、こういう攻撃は相手投手とベンチにプレッシャーを与えるものです。地力の差でしょう。投手を含めたディフェンス力に関してもソフトバンクが上。セのペナントレースを圧倒的な力で制した広島が相手だったらどうなっていたか……という興味はありますが」