DeNAは4連敗免れたが…実力差歴然でセ「DH制導入」加速か
これは、ドラフト戦略にも影響する。
例えば西武の山川穂高だ。大卒4年目の今季は78試合に出場し打率.298、23本塁打。シーズン終盤は4番を任された。DHからチャンスをつかみ、一塁の定位置を獲得したものの、お世辞にも守備がうまいとは言えず、機動力もない。
「そんな山川を西武が13年のドラフト2位で獲得したのはやはり、DH制があるパならではの指名と言えます。いくら打撃がよくても、守れない、走れないという選手では、セ球団ならリストアップの段階で外される可能性もあります。DH制があるから、野手はチャンスが増え、ドラフトの段階で短所に目をつむって特徴のある選手を指名獲得できる。今年のドラフトで言えば六大学の本塁打記録を塗り替えた慶大の岩見雅紀がそうでしょう。打力A、守備力と走力はCと評価される岩見を楽天が2位で指名した。セとパでは、選手の入り口からして差が生じ、それが大きくなってチーム力の差にもなっているのです」(山崎氏)
実はセにも、かねて「DH制導入論」がくすぶっている。
選手育成における利点はもちろん、打高投低の色合いを増すことで観客動員増につなげたいとの思惑から、一部球団が導入に積極的な姿勢を示している。ここ数年、毎年のように貧打に泣く巨人もDH制推進派に転じたともっぱらだ。
来季以降、DH制導入論が加速する可能性が大である。