DeNAは4連敗免れたが…実力差歴然でセ「DH制導入」加速か
いや、広島でも結果は一緒ではないか。3位のDeNAに14.5ゲームもの大差をつけてリーグ連覇を果たしながら、CSで足をすくわれた。昨季も2位の巨人に17.5ゲーム差をつける独走Vを成し遂げながら、日本シリーズでは日本ハムに2勝4敗で敗退。敗因として、緒方監督の采配を含む、チーム力の差が盛んに報じられた。
■15年間で日本一わずか3度のセに危機感
そもそも、今年を含めたここ15年間の日本シリーズでセの球団が日本一になったのは、2007年の中日と09年、12年の巨人だけ。05年に始まった交流戦でも、パの後塵を拝しているのはファンも周知の通りだ。交流戦の通算勝利数はパの981勝に対して、セは872勝。今年の交流戦で3連覇を果たしたソフトバンクを筆頭に優勝球団はパが11回で、セは巨人が制した12年と14年のたったの2回しかない。日本シリーズでも交流戦でもパがセを圧倒しているのが現実である。
評論家の山崎裕之氏がこう言った。
「セ、パの差が開いた原因を突き詰めていけば、ひとつはやはり、DH制の有無というところに行き着く。昨年、くしくもDeNAのラミレス監督にセ、パの違いを聞いた。彼は『投手の強さ』と即答して『常時150キロ前後を投げる投手がセには1球団に1人しかいないが、パにはそういう投手が1球団に何人もいる』と言っていた。接戦になれば試合中盤で先発投手に代打を送るケースが多いセに対して、戦術上その必要性が少ないパの投手は総じてセより長いイニングを投げる。投手の成長を促し、好投手が育つ土壌になっている。投手のレベルが上がれば、必然的に打者のレベルも上がる。DH制にはそういう好循環を生む利点があるのは間違いありません」