処分持ち越しも 貴乃花親方“角道”の行き着く先は土俵利権
日馬富士暴行事件の貴乃花親方(45)への処分は、20日に国技館で行われた理事会でも決まらなかった。
巡業部長である貴乃花親方が今回の冬巡業に帯同しなかったのは、事件への対処を優先するためだった。にもかかわらず、執行部からの電話に出ないばかりか、居留守まで使って協会との接触を拒んだ。18日には都内で一門会を開催。一門の士気を高めたといわれるその会合も含め、何かというとクチにするのが「大役」「大義」「角道」「改革」といった言葉だ。
しかし、これまでの貴乃花親方の言動を振り返ると、それらの単語も薄っぺらなものに聞こえてくる。
「土俵利権ってのはスゴいんですよ」
貴乃花親方はかつて親しい人に、目をギラギラさせながらこう言ったそうだ。相撲協会の要職に伴う利権がいかにデカいかということを言いたかったのだろう。
一昨年12月、八角理事長がまだ、理事長代行だったときの話だ。
それまで協会内部の事務方を一手に仕切り、パチンコ業者との契約の際に500万円の裏金を受け取った裏金顧問が、ある会社の債券を70億円分購入しようと画策。「法律で決められたこと。内部留保がこんなにあると受け取られてしまう。内閣府にもスポーツ庁にも指導されている」とウソまでついて、八角理事長代行に持ち掛けた事件があった。