清宮は大丈夫か?「ドライチ」著者が見た新人選手の内面
――ドライチの素材はみんな一級品です。8人の元選手に取材して、プロで通用する、通用しないという差はどこだと思いますか。
「まず精神的に安定していること。自分に関する記事、ファンの声、指導者の評価など、いちいち気にしていたらきりがない。向上心と工夫も大事でしょう。言われたことだけやっていれば必ず成績が上がる世界ではない。人との出会いも無視できない。いい指導者に巡り合うことができるか、できないかは、いくら素材が良くても成長過程に影響する。横浜ベイスターズ(現DeNA)からオリックスに移籍した古木克明クン(98年)はホームラン打者だったが、守備に難があった。本人は言い訳になってしまいますがと前置きし、こう言いました。『すごく練習はしました。後から考えると、きちんと守備の基本を教えてもらっていなかった。当時はきちんと教えられるコーチがいなかった。巡り合わせが悪かった』と。いい指導者によって開花する選手もいますから、有望選手でも人との出会いは、やっぱり無視できません」