裏工作が裏目に 貴乃花一門は勢力ダウンどころか崩壊危機
相撲協会の理事候補選が行われる前、テレビやスポーツ紙は盛んに「隠れ貴乃花」の存在を強調していた。
貴乃花親方が一門会で、票はすべて同門の阿武松親方に入れて欲しい、自分は自身の1票で構わないと発言。他の一門に潜むシンパの票を集めれば勝負になるといわれたものの、実際に獲得したのはわずかに2票。阿武松親方の8票を加えても、基礎票の11票にすら届かなかった。貴乃花親方の2票は自身と高砂一門の陣幕親方の1票といわれるから、他の一門からの票を集めるどころか、逆に一門内の2票が流出したことになる。
「阿武松親方が自分にくるはずだった2票を山響親方に回した」と解説する向きもあるが、貴乃花一派はむしろ山響親方の票を奪おうとした。山響親方はすでに貴乃花親方と袂を分かち、執行部側についている。票は「回した」のではなく「奪われた」のが真相だ。「貴乃花一門の親方2人は一門への結束より山響親方への義理を優先した」とは、さるタニマチ筋だ。
要するに一派の理事は阿武松親方ひとり。29票で3人を理事にした前回と比べて勢力ダウンはもちろん、一派からは離反者も出た。副理事候補選に立候補した錣山親方が101票中、14票しか集められずに落選した現状が何より貴乃花一派の凋落ぶりを物語っている。