W杯まで4カ月 サッカー界の論客がハリル監督を徹底検証
六川「どうしても日韓W杯のフランス人監督トルシエの姿とダブります。トルシエは、主力や話題の選手を冷たくあしらうところがあった。2人とも『選手よりもオレの方が偉い!』と強調するための選考、起用をやっているような気がします」
――本田や香川はW杯本大会に必要なのでしょうか?
鈴木「少なくとも3トップのサイドに本田を起用するのは間違っている。日本代表は『ボールを速く動かす』のがストロングポイント。なのに本田にボールが渡るとスピード感が失われ、そこで攻撃のリズムが損なわれてしまう。それでも本田は強烈な左足シュート、無回転のFK、タフな精神力などプラス要素は少なくない。スタメンはないにしても“ここぞ!”という場面でベンチから送り出したい」
六川「発信力があり、チームメートへのポジティブな影響力も大きい。ハリルの信頼も厚い。やはり代表には不可欠な存在だと思います」
――香川がブンデスリーガで好調をキープしています。
鈴木「そもそも香川に対する評価が低過ぎるのです。トップ下から攻撃を差配する能力は一級品。下手とされる守備も相手ボールにプレスをかけて攻撃を遅らせたり、パスコースを限定させる動きなど及第点です。彼の素晴らしいところは、相手ボールの時から『マイボールになって足元にパスが来たら、味方FWにどんなパスを送ればシュートに持ち込めるか?』を常に予測しながらプレーしているところ。相手ゴールを背にした状態でも『後ろが見えている』ようなダイレクトパスを正確に繰り出すことができる。香川の能力を疑う指揮官は、選手を見極める目がないと言うしかない」