パワハラ騒動の余波 レスリング伊調馨に海外修行プラン
女子レスリングのパワハラ騒動の渦中にいる五輪4連覇中の伊調馨(33)に海外留学プランが浮上した。
バルセロナ五輪代表で元ナショナルコーチの安達巧氏(51)らが内閣府に提出した告発状によれば、伊調は日本協会の栄和人強化本部長(57)から、不当に練習を妨げられ、その圧力によって活動拠点にしていた警視庁からも出入り禁止になったそうだ。現在、練習場所の確保もままならないという。ここにきて拓大、日体大などの男子の強豪校がレスリング場の提供を申し出ている。両校とも学生ではトップクラスの選手を揃えるが、体力はともかく、技術的には伊調の練習相手を務めるのは厳しい。
リオ五輪後、本格的な練習から遠ざかっている伊調にとって体力、実戦感覚を取り戻すためにも、よりレベルの高い練習環境が必要になる。そのため、東京五輪出場を見据える伊調は練習相手や場所を海外に求めるというのだ。
■カルガリーには留学の経験も
伊調が武者修行の場に選ぶとみられるのはカナダ。同国は男女とも五輪金メダリストを輩出しており、強豪の一角だ。伊調がエントリーするであろう女子の中量級(57キロ、62キロ)に近い、男子の軽量級(57キロ、65キロ)に逸材が揃っており、練習相手には事欠かない。現地の女子選手とも練習すれば、ライバルに手の内を明かすリスクも伴うとはいえ、海外の強豪を相手に実戦的なトレーニングができるだけに、メリットは大だ。