森岡隆三<2>「代表背負った西野さんは勇気ある方だなと」
最大の足かせとなっているのが、過酷な地理的条件だ。彼らの本拠地は鳥取市だが、練習場は100キロ離れた米子市。ホームゲームごとに毎回片道2時間かけて移動する必要がある。アウェーにいたっては一番近くて200キロ離れた大阪。昨季は大半がバス移動で選手たちは疲労困憊だった。
「極端なたとえ話になりますが、7時間くらいの移動は近所のコンビニに行くような感覚でした」と森岡は苦笑する。
今季は前泊や新幹線移動を増やして負担軽減を図り、J2復帰に勝負をかけている。6日のFC東京U―23戦は、相手の倍のシュートを放ちながらスコアレスドロー。10戦を終了した時点で勝ち点15、総得点13、総失点14の7位と目標には遠いとはいえ、「去年はこの時期から勝てなくなったけど、それに比べるとポジティブ。手ごたえはあります。今年は『勝つ』と公言した以上、やらなければいけない。そういう状況にあえて自分を追い込みました」と厳しい表情で話してくれた。
監督という仕事は、それがJ3だろうが、日本代表だろうが、結果が出なければいつクビになるか分からない。4月にハリルホジッチ監督が解任されて西野朗監督が後を引き継いだが、一連の流れを森岡は他人事とは思っていないようだ。