蘇る4年前…ブラジルに王国の焦りとネイマール潰しの恐怖
前半をリラックスモードでプレーしていたブラジル選手の表情が一気に曇ったのが後半5分。スイスの突貫小僧MFシャキリ(26=ストーク)の右CKをMFツーベル(26=ホッフェンハイム)がヘディングシュート。振り出しに戻ってしまったのだ。W杯現地取材中の元ワールドサッカーグラフィック編集長の中山淳氏が言う。
「いくら王国ブラジルといえども、試合の流れがよどんでゴールが遠ざかると選手も焦りを感じるものですが、スイス戦の場合、前日までの<優勝候補国の成績>が選手の脳裏にこびりつき、それが足かせとなった印象を受けました。アルゼンチンがアイスランドとよもやの引き分け。ポルトガルとスペインはドロー決着。フランスはオーストラリアを2―1で退けたとはいえ、不甲斐ないプレーに終始した。ブラジル―スイス戦のキックオフ1時間前には“あの強くて憎たらしい”ドイツがメキシコに敗れた。ブラジル人選手の深層心理に<何かの拍子に負けてしまったらどうしよう>というネガティブな要素が入り込み、それが焦りとなってプレーが萎縮、シュートミスを招いて、より焦る……という悪循環に陥ってしまった」