さすが名将 ポルトガル監督がスペイン戦で見せた柔軟采配
後半に逆転を許し、劣勢に回った後のベンチワークも迅速かつ的確だった。68分に投入したMFジョアンマリオをトップ下に配置し、システムを4DF―4MF―2FWから4―2―3―1に変更したかと思えば、1分後には右ウイングにFWクアレスマを入れて再び4―4―2に戻した。
そうして試合の流れも次第にポルトガルに傾いていき、同点に追いつくことに成功した。
一方、開幕前日に異例の監督交代に踏み切ったスペイン。イエロ新監督の選手交代は、疲れたベテラン選手を下げ、同じポジションにフレッシュな選手を起用する定石通りの采配に終始。ゲームの流れを変えるような工夫は見られなかった。
そもそもイエロ監督の指導者キャリアは、16年から2部オビエドを率いた1シーズンだけ。仕方ない部分もあるが、監督の采配が勝敗を分けることが多い決勝トーナメント以降は、スペインのアキレス腱となりそうだ。
(元ワールドサッカーグラフィック編集長・中山淳)