メッシやネイは初戦不発 C・ロナウド2戦4発絶好調のワケ
「まずはコンディションの違いがあります。ネイマールは右足首の故障で約4カ月間離脱。所属クラブでプレーしないまま、ほぼぶっつけ本番でW杯に入った。一方のC・ロナウドは5月終わりの欧州CL決勝を戦った後、代表合宿中に休暇を取っています。合流を遅らせたことでリフレッシュした効果もあるでしょう。メッシ、ネイマールの天才肌選手と比べて努力家でもある。いつも自宅のトレーニング室で鍛えていますからね。『走っていない』と指摘されることが多いが、点を取れる最前線で常に張っているのもポイントです」
あまり走らないし、守備もしない。要するに普段はサボっているということだが、前出の中山氏が続ける。
「その分、ポルトガルは周囲の選手が献身的に動き、C・ロナウドに点を取らせるためのプレーに徹します。メッシも走行距離は少ないが、ボールが来ないと下がってもらいに行ってしまう。メッシとネイマールには共通点があります。ボールに触らないと調子が上がらないのです。C・ロナウドもかつてはドリブルで仕掛けてばかりの時期がありましたが、今はほぼ封印。体力を温存しながら前線で待ち続け、ボールが来た時は1タッチか2タッチでシュートに持ち込む。初戦は利き足でない左足で1点、この日は頭。身長185センチで跳躍力が凄い。相手DFが190センチ台でも競り勝てるヘディングでの得点も多い。これは他の2人にはない大きな武器になっています」
最近のW杯得点王は5、6点で決まることが多い。2ケタは1970年に10得点したゲルト・ミュラー以来出ていない。およそ半世紀ぶりの「大台」到達も夢ではない。