著者のコラム一覧
田崎健太ノンフィクション作家

1968年、京都市生まれ。ノンフィクション作家。早大卒業後、小学館入社。「週刊ポスト」編集部などを経て、99年末に退社。著書に「W杯に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇 」(新潮文庫)、「偶然完全 勝新太郎伝」(講談社+α文庫)、「真説・長州力 1951-2018」(集英社文庫)、「電通とFIFA」(光文社新書)、「真説・佐山サトル」(集英社インターナショナル)、「ドラガイ」(カンゼン)、「全身芸人」(太田出版)など多数。

敗れた日本戦でも露呈 コロンビアは不思議な“一流国”

公開日: 更新日:

 ロドリゲスやファルカオ、Ju・クアドラードを擁した今回のコロンビア代表もその系譜にある。彼らはブラジルやアルゼンチンに拮抗する攻撃力を見せて、南米予選を勝ち抜いてきた。

 ただし、その「拮抗する攻撃力」には“ハマれば”という前提がつく。

 19日の日本―コロンビア戦。ブラジルやアルゼンチンならば、1人少なくなっても、そして1点リードされても、慌てることなく、まず「勝ち点1」となる引き分けを確保しただろう。そして体力の消耗を防ぎながら、数的優位な相手をじらし、逆に精神的に追い込んでいく。彼らには前線に1人で得点できるアタッカーがいる。「勝ち点3」を取られるならば、引き分けでいいという空気を醸成していくのだ。その守りに入ったときが、彼らの狙いどころでもある。ブラジルには「フッチボウ・エ・デターリャ」という諺がある。これは「サッカーは細部に宿る」とでも訳せるだろうか。試合の趨勢は、ちょっとしたプレーで決まるという意味だ。

 そのちょっとした差を見逃さないのが本当に強い国だ。W杯優勝経験のあるごく一握りの“超一流国”と、“一流国”の差が、日本戦に表れたといってもいい。

 もちろん今後、この大会でコロンビアが劣勢をはね返すかもしれない。そうなれば、彼らは超一流国との壁を少し乗り越えることになるだろう。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情