著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

大騒動の審判の誤審問題で決して忘れてはならないこと

公開日: 更新日:

 これは普段の野球観戦でもよくわかる。選手が放った強烈なライナーや飛球を目で追うと、私のような一般人はあっという間に行方を見失う。キャンプなどで投手のブルペンを間近で見てもそうだ。140キロ以上ものスピードで低空を切り裂く、しかも微動する白球が、あの狭いストライクゾーンのギリギリを通過したかどうかなんて普通の動体視力で判断できるわけがない。ましてやフォースプレーやタッチプレーの類いになると、選手も審判の目をごまかそうと、あの手この手で偽装するのだ。そういった微細な瞬間を完璧とは言わないまでも、かなりの高確率で正しく判別できるのが審判なのである。

 だから、誰でも簡単に審判になれるわけではなく、現在、NPBに所属する審判は育成審判や技術指導員も含めて62人しかいない。彼らもプロ野球選手と同じく保障に乏しい個人事業主で、日々厳しい鍛錬を積み、育成から二軍を経て一軍に昇格する選ばれし者だ。少なくとも「審判クソ」ではない。「ヘボ審判」なんてひとりもいない。そもそも常人では審判になることすらできないのだ。

 誤審問題が巻き起こると、私はいつもこういった審判の基本を忘れてはならないと思う。プロ野球における誤審とは「弘法も筆の誤り」なのだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭