DeNA日本シリーズ連敗で聞こえてくるNPBの“不安と安堵”
本塁でのビデオ判定が明暗を分けた。
29日の日本シリーズ第2戦。DeNAの3―1で迎えた、七回のソフトバンクの攻撃だった。
柳田の適時打で1点を返し、2死満塁と好機を広げた場面。ここで5番・中村の鋭い打球が一、二塁間を割った。三塁走者の柳田が生還して同点。二塁走者の今宮も本塁を突いたが、クロスプレーの判定は「アウト」とされた。
セーフでしょう! とベンチを飛び出した工藤監督の要請でリプレー検証を行っている間、テレビ局の中継ではさまざまな角度から捉えた問題のシーンの映像が繰り返し流されたが、「スローで見ても容易に判別できない極めて微妙なプレー。この場合、当初の球審のアウト判定が尊重される結果になるのが普通でしょう」とは、球界OB。
が、長い協議の末に判定が覆り、ソフトバンクが勝ち越した。一塁側ベンチと右翼スタンドが大いに沸く中、「NPBの不安を審判団が忖度したか」と言ったのは、別の球界関係者である。
冗談交じりでもそんな声が出るのは、今年の日本シリーズには始まる前から“物言い”がついているからだ。