東京五輪に不安…新国立競技場の暑さ対策は“打ち水”の仰天
連日の酷暑の中でも、とりわけ暑過ぎる――と指摘されたのが、2020年の東京五輪のメインスタジアムとして建設中の新国立競技場だ。
日本スポーツ振興センター(JSC)が18日、同競技場の建設現場をメディアに公開したのだが、最高気温は35度だったにもかかわらず、場内に持ち込まれた温度計はぐんぐん上昇。あっという間に「42度」になったのだ。完成予定は来年11月末で、観客を直射日光から遮るひさしや送風機などが設置されていないとはいえ、見学した記者も呼吸が荒くなり、フラフラになったという。
7月下旬から始まる東京五輪期間中は夏真っ盛り。気温35度以上の猛暑日が続く可能性はある。果たして暑さ対策は十分なのか。
「観客やフィールドに風が通り抜ける構造になっているので、体感温度は下がります。入場ゲートなどにミストをまいて周囲の温度を下げたり、1~4階の各階に設置予定の冷房完備の休憩室を設置したりするなど、工夫します」
JSCの広報担当者は自信タップリにこう言ったが、日本体育協会の「熱中症予防運動指針」によると、気温31~35度は「激しい運動は中止」。気温35度以上だと「運動は原則中止」だ。新国立競技場が完成しても、31度以上であれば“スポーツの祭典”なんてやっている場合じゃない。現地を視察した建築エコノミストの森山高至氏がこう言う。