現役審判2人が激白 ボクシング連盟「八百長疑惑」の真相
「問題は大学など、次のステップに進んだときです。高校時代に負けなしだった奈良の選手が、大学ではポロポロ負けるケースは珍しくない。全国大会などはともかく、各地のリーグ戦までは山根会長の目は届きませんからね。選手も高いゲタを履かされた上に、結果を出せないと周囲に失望される。これでは奈良の選手がかわいそうだし、何より奈良の選手と戦う別の高校生も哀れです」
■「ヒヨッコだから自腹で参加しろ」
山根会長が審判に強要していたのは不正なジャッジだけではない。A審判が証言する。
「私がA級審判になったあと、ある県で審判講習会が行われた。その前に山根会長から電話がかかってきたんです。『まだ(A級審判として)ヒヨッコだから、参加するなら自腹で来い』と言われ、『それでも来るのか?』と。初めての講習会なので勉強のためにも参加しましたが、交通費や決められていたホテルの宿泊費などで20万円は自腹を切りました。その後も国体や全日本選手権なども、無給の上に費用は自分持ち。交通費だけは出す、宿泊費だけは出す、といったケースもあった。持ち出し総額? 50万円くらいですね」