木更津総合・五島監督に聞く ドラフト候補が進学する理由
――高卒下位指名なら、球団によっては2、3年で切られるケースもある。
「私が常々部員に言っているのは、『プロに行くことを目的にするな』ということです。プロは、あくまでお金を稼ぐ場です。サラリーマンの生涯賃金を、わずか数年で稼いでしまうのがプロ。でも、引退後の人生の方が長いし、そこまで稼ぐ前にクビになるケースもある。プロを最終的な目標とするのではなく、あくまで就職先のひとつ、と考えてほしいんです」
――木更津総合といえば毎年のように好投手がいるのも特徴です。2013年夏に投げた2年生エースの千葉(桐蔭横浜大)という高度な理論を持った選手が、定期的に指導しに来ている、という記事を読んだのですが……。
「(困ったような顔で)ああ、(なぜ木更津総合は好投手が生まれ続けるのか、という)ネットの記事ですね。あの取材、僕自身は断ったのですが、他方面から記者さんが取材をしたらしく……。もちろん、千葉自身の考えは素晴らしい。でも、それだけではありませんよ。ウチに好投手が多いのは、コーチの功績も大きい。部員一人一人の悩みにも付き合って、解消してくれていますから。私が川崎製鉄神戸で監督をやっていた時の投手コーチが、月1で教えに来てくれているということもある。先輩投手のやり方を後輩がマネをして……というのが、代々続いている伝統でもある」