木更津総合・五島監督に聞く ドラフト候補が進学する理由
――と、いいますと。
「プロが『ドラ1で獲得します!』という選手がいたら、私だって考えますよ。でも、ウチにはそこまでの選手は入ってこないので(笑い)。これが高校から直接プロ入りを反対するもうひとつの理由です。つまり、ドラ1ならある程度、球団が面倒を見てくれるでしょう。でも、高卒でドラフト下位ともなれば、そうはいきませんよ」
――プロ入り後の待遇などの問題ですね。
「もちろん、大学進学が遠回りになるケースもあるとは思います。それに、やっぱりプロ入りは子供たちの夢ですから。確かに大学4年間を遠回りだと思うあまり、大学在学中にダメになってしまう選手もいるかもしれない。でも、そういう子は高校から直接プロに行っていたとしても、大体通用しませんよ」
■「最終目標ではなく就職先のひとつ」
――これまで「下位指名でもいいから直接プロに行きたい!」と言った部員はいないのですか?
「事あるごとに、今話したようなことをコチョコチョと……ね(笑い)。私だけではなく、周囲もそうやって説得していますから。実際は何が正しいのかわかりませんけどね。私が大学(早大)、社会人(川崎製鉄神戸)と歩んできたから、その道が一番いい、と思っているのかもしれない。やはり高卒で下位指名は、『ちょっと待てよ、それなら大学に4年間行ってからでも遅くないぞ』と考えてしまう。ホント、松井秀喜みたいなのがいれば、直接プロに行かせるのも反対はしませんけどね(笑い)」