ガッツポーズ禁止と熱中症“美談化”…球児を潰すご都合主義
13日の大阪桐蔭(北大阪)対沖学園(南福岡)戦。九回に沖学園の選手が中前打を放って一塁に駆け込むと、足がけいれんした。大阪桐蔭ナインが一塁ベンチから氷嚢と経口補水液を持って駆け付けたことについて、「瞬時の行動 浮かぶ強さ」(8月14日朝刊=同)と題した記事で「胸が温かくなる思いやりの心」とし、こうした姿勢に「強さの一端を見た気がした」と書いていた。
6日には、北照(南北海道)の外野手が守備時に両足がけいれん、沖学園の選手が飲み物を運んだことも、「助け合い」という美談に。7日に高岡商(富山)の投手が足にけいれんを起こし治療を受けた直後に、満塁のピンチを切り抜けたことを見出しで「魂の一球」と表現した。
「タイブレークの末に済美(愛媛)が星稜(石川)に勝利した試合では、星稜に足をつる選手が続出した。さすがに朝日も『足がつった』ことには触れていますが、星稜の林監督の『うちの選手はこれまで一度も試合中に足がつったことはない。甲子園は地方大会にはない消耗があるのでしょう』と指摘したコメントは載っていない。『足がつった』『けいれんした』とは書いても、それを『熱中症』とは表現しない。ご都合主義というしかありません」(高校野球に詳しいライター)