ガッツポーズ禁止と熱中症“美談化”…球児を潰すご都合主義
新たなスター候補が甲子園から消えた。
15日、創志学園(岡山)の最速150キロ右腕・西純矢(2年)が下関国際(山口)戦で179球の完投負け。2回戦で敗退した。
試合後、この2年生エースは、複雑な表情を浮かべながら、報道陣にこんなことを口にした。
「試合の序盤にベンチに帰るとき、球審から『必要以上にガッツポーズはしないように』と結構、強い口調で言われました。自然と出てしまうんですが……」
初回、先頭打者を見逃し三振に打ち取った際、大きなガッツポーズをして雄たけびを上げた。これが球審の不興を買ったというのだ。
感情をむき出しにしながら、相手に立ち向かうのが西の投球スタイル。試合中にそれを否定され、「リズムが狂った」と言う西は、被安打3ながら9四死球と大乱調。初戦で優勝候補の創成館(長崎)を無四球で完封したのとは別人だった。
その後も自然と握りこぶしをつくり、八回にも再度、注意されたという西は、九回に3点を奪われ、力尽きた。試合中の不意な禁止通達が動揺を誘ったことは想像に難くない。長沢監督は試合後にこの話を聞いて驚いていたそうだが、当然だろう。