松本航(投手・日体大)低めにグッと伸びる速球が真骨頂
敵が内にいる。
チーム内に、油断できないライバルたちが何人もいるという環境は、同学年に快腕が2人いる東洋大・甲斐野央と同じだ。4年生にプロ注目のパワーピッチャー・東妻勇輔(智弁和歌山)がいて、3年生、2年生にも140キロ後半の速球勝負の快腕が目白押し。日々、高いレベルの中で腕を磨く。そんな環境は、間違いなく「学び」も豊かだ。
松本は、いろんなことができる投手だ。その点で甲斐野と対照的である。スライダー、カットボール、カーブ、チェンジアップにスプリット。種類も多いが、いつでもストライクをとれる変化球を、毎試合3種類、4種類用意できるのは、プロでも先発で長いイニング、試合をつくれる資質だ。
しかし、なんといっても、この投手の「真骨頂」は、打者のヒザほどの高さの速球がグッと来ることだ。
低めの速球の回転が、ホームベース上に来ても緩まない投手はなかなかいない。今夏の甲子園大会で、プロから高い評価を受けた金足農業・吉田輝星の速球が、ちょうどこういう球質を持っている。