矢野監督誕生も…阪神の懸念材料は新オーナーの“現場介入”
「坂井オーナーが辞任して、藤原崇起新オーナー(66=電鉄本社会長)の就任会見が16日に決まった。その席で新監督が決まっていなければオーナーは赤っ恥です。揚塩社長は何とか16日に間に合わせようと矢野さんを必死に口説いた。矢野さんは球団の事情を理解し、限られた時間で決断したのです」(前出の関係者)
揚塩球団社長は藤原新オーナーの大阪府立大の後輩。電鉄時代から“先輩”の覚えめでたく、甲子園球場長などを経て本社の取締役にも就任している。昨年球団に戻り、社長に就いた。その恩人のため、揚塩社長は超短期間で新監督を誕生させたことになる。
金本監督が就任した3年前、矢野新監督は作戦兼バッテリーコーチとして入閣。金本、矢野、片岡(打撃コーチ)の3人で若手育成に大きく舵を切った。金本監督が志半ばで事実上の解任となり、17年ぶりの最下位に沈んだ球団の再建を託されたわけだが、「懸念されるのは藤原新オーナーの鶴の一声だ」と、あるOBがこう言う。
「矢野監督は金本路線を引き継ぐわけだから、今オフの大型補強は望んでいないだろう。投手は取ってもFAや助っ人補強で複数の野手を獲得すれば、せっかく育ちつつある若手の出番が減る。矢野新監督は今年、ファームで12年ぶりに日本一になった。若い選手を使って勝ててうれしいと喜んでいた。しかし、今の阪神は金本監督の電撃解任でフロントへ批判が集中。絵図を描いたとされる藤原新オーナーへの風当たりもかなり強い。『暗黒時代の到来』や『フロントが無能』などといった批判や雑音を封じるには、矢野体制1年目で是が非でも優勝、もしくは優勝争いをしたいはずです」