矢野監督誕生も…阪神の懸念材料は新オーナーの“現場介入”
さらにOBは続ける。
「優勝争いには打線強化が急務。貧打解消のために大砲が欲しい。それも、『1人といわず2人取れ』なんて、新オーナーは厳命を下すかもしれない。そもそも、金本前監督の育成路線を継承するだけならクビにする必要はない。新オーナーが矢野監督を立てたのなら、新しい色を出したいというのは、当然の考えではないか」
■1位指名は根尾から吉田輝星に
25日に行われるドラフト会議も新オーナーの意向が反映されるかもしれない。
今年の阪神は成績不振の上、悪天候にも泣かされた。ホームの入場者数は昨年の303万4626人から289万8976人へと大きく減った。さらに、金本解任のドタバタ劇に愛想を尽かしたファンの中には、年間シートの継続をやめようかと迷っている者も多数いるという。
「来季も指揮を執るつもりだった金本監督はドラフト1位は即戦力投手で行くと決めていた。スカウトもそれで納得していたものの、金本監督が去ったとたん、1位指名を大阪桐蔭の二刀流・根尾昂に変更した。今のところ矢野監督がどのような考えを持っているかはわかりません。でも、球団と電鉄の経営に直結する観客動員のことを考えれば、金足農のエース吉田輝星が魅力です。何しろ今年の夏、全国のファンの目を釘付けにした甲子園の申し子ですからね。グッズだって間違いなくバカ売れです。新オーナーが『1位はぜひ吉田で』と、現場介入してくることは十分予想されます。その時に動くのは揚塩社長でしょう」(前出の関係者)
泥舟の船長となった矢野新監督の舵取りが容易でないことだけは確かだ。