体操世界選手権は団体3位…五輪連覇のカギは「内村切り」
ベテランが足を引っ張った。体操の世界選手権(ドーハ)は29日、男子団体総合決勝を行い、リオ五輪金メダルで、前回優勝の日本(内村、田中、白井、萱、谷川)は合計253.744点で銅メダルに終わり、連覇を逃した。ライバルである中国、ロシアの後塵を拝し、3位までに与えられる20年東京五輪出場枠を辛うじて手に入れた。
開催国枠を除けば、日本の全競技を通じて初めて自力での五輪出場を決めたとはいえ、東京での連覇を目指すには心もとない。
この日の決勝ではリオ五輪金メダルメンバーだった田中佑典(28)が4種目目の平行棒で落下。ベテランが得意種目で、まさかの失敗に終わり、上位2チームに及ばなかった。
五輪個人総合2連覇中の内村航平(29)にしても、主将として臨んだ今大会は精彩を欠いた。開幕直前に右足首を故障し、個人総合への出場を断念。団体戦ではあん馬、つり輪、鉄棒の3種目に絞って出場したが、予選ではミスが目立ち、絶対王者として君臨したかつての面影はなかった。
全6種目で争う団体総合は、各種目のスペシャリストを揃えた方が勝機を見いだせるのは言うまでもない。実際、中国やロシアは各種目のトップ選手でチーム編成を行った。
力の衰えに加え、故障続きでフィジカルに不安を抱える内村に頼っているようでは、自国開催の五輪で日の丸は掲げられない。内村は「中国とロシアとの差をどう埋めるかが課題」と話したが、五輪連覇を目指すなら、かつての絶対王者を外した方がよさそうだ。