広島ナイン驚愕 “甲斐キャノン”は強肩と送球だけじゃない
甲斐は肩が強いだけではなく、捕球から二塁送球までのスピードもケタ違いだと言われる。プロの平均が1・9秒と言われるそれが、甲斐は最速1・71秒。送球コントロールも正確無比だが、野間に言わせればそれだけではないというのだ。田中が刺された場面、3度の牽制球のあと、甲斐が要求したのは高めの真っすぐだった。ソフトバンクの森作戦兼バッテリーコーチ補佐もこう言った。
「牽制や盗塁阻止はピッチャーとの共同作業。そこのタイミングが合っていれば、できることなのかなと。(甲斐が育成選手だった)三軍時代から見ているけど、この5~6年で一番飛躍したのは配球面だと思う」
広島は八回に4番の鈴木、9番の安部にそれぞれこの日2本目となる一発が飛び出すなど、一挙5点を奪って猛追したものの、初回以外は結局、盗塁を企図することすらできなかった。
第1戦で甲斐に盗塁を刺された代走要員の上本は試合前、「突破口はある。土のマツダ(スタジアム)より、人工芝の(ヤフオクドームの)方がスピードが出る。ビジターで出し抜きたい」と言っていたが、足をもがれた広島は打って勝つしかないようだ。